会社設立登記と定款の記載事項

六法全書が国のルールブックであるとすれば、会社のルールブックは「定款」です。
定款には会社の基本的な情報から取り決めなどまで、多くのことを記載することができます。
もちろん国の法律に反するような内容は記載できませんが、定款に記した内容は会社独自の法律となると言えるでしょう。
そんな重要書類である定款ですので、記載する内容には細心の注意が必要となります。

定款には事業形態によって「絶対的記載事項」というものがあります。
絶対的記載事項とは、必ず定款に記載しなくてはならない事項です。
たとえば株式会社の場合、事業目的、商号、本店所在地、発起人氏名または会社設立時の社員の氏名、出資財産の価値または最低額、発行可能株式総数などが絶対的記載事項となっています。
ちなみに事業目的と商号、本社所在地は一般社団法人や一般財団法人まで含めた全ての事業形態で絶対的記載事項となっています。
この絶対的記載事項が一つでも欠けていると、定款として成立せず、無効となってしまうのです。
当然、会社設立登記も受理されることはありません。

逆に言うと、この絶対的記載事項以外については必ずしも記載する必要があるわけではなく、記載していなくても登記の際に問題となることはありません。
しかし、だからといって絶対的記載事項のみではあまりにもお粗末な定款となってしまいます。
現実問題として、ほとんど機能しない定款となってしまうでしょう。
登記やその後の手続きで余計な手間が生まれてしまう可能性もあります。

たとえば株式会社の定款では「事業年度」が任意的記載事項、つまり記載するか否かは自由となっています。
しかし事業年度は決算や納税、株主総会の時期などに関わる超重要事項ですよね。
故に登記後、税務署や市町村、都道府県への設立届提出時に決定しなければならない事項です。
これを定款に記載していないと、その際に事業年度を証明する書類を求められることとなります。
つまり記載しないと面倒が増えるのです。

ただしなんでも定款に記載すれば良いというわけでもありません。
定款に記載してしまうと、その事項は定款変更しなければ変更できなくなりますので、簡単に変更できなくする目的で記載することがある一方、あえて記載しないという選択をする場合もあります。
じっくりと記載事項を考えて定款を作成し、登記を申請するようにしましょう。