会社設立登記と設立までの流れ

「技術職で能力には自信がある、人脈も確保できている、しかし、会社設立の方法が全く分からない」
といったように、独立したいけれど最初の会社設立でつまずいてしまっていて、実行できないという人は多いでしょう。
これは非常にもったいないことかもしれませんよね。
今回はそんな「独立が頭をちらついている人」に読んでもらいたい、会社設立の基礎の基礎、「登記」についての解説です。

ではまず、「そもそも登記とは何か?」というところからスタートしましょう。
「登記とは行政上のシステムで個人や法人、不動産などの権利や義務が云々」と、登記というものを正確に解説しようとすると、難しい言葉をいくつも羅列する必要があります。
不動産登記、商業登記、会社登記など、種類もいくつかありますので、ものすごく長文になってしまうでしょう。
故に今回は、ものすごく簡単に、現実的に表現します。

「登記は社会への記録」です。
会社を登記するという行為は、つまり「会社の存在を社会に記録する」という意味にもなります。
会社の所在地はここで、誰が経営者で、などといったことを国や官公庁、公共施設に示すことで、社会に認定してもらうのです。
故に「会社設立日」というには、基本的にこの登記を申請した日付になります。

逆に言うと登記を済ませていない場合、本人がどれだけ「会社だ」と言い張っても、社会からは認められません。
ただの「会社ごっこ」になってしまいます。
つまり会社とは、登記を行うことで初めて、そこに存在を認められることとなるのです。

では実際に、登記とはどのような流れで行えば良いのでしょうか?
登記の手順を知るには、まず会社設立そのもののを大まかな流れを理解しておくべきでしょう。

会社設立とは、まず「定款」を始めとする必要書類を用意することから始まります。
これら書類がないと、登記申請が行えないのです。
申請の際に必要となる書類はいくつかありますが、もっとも重要な書類と言えるのが定款でしょう。
定款とは、商号や事業目的、本店所在地、取決めなどを記した、会社のルールブック、会社の法律とも呼べる重要書類です。
まずはこれを作成しないことには、なにも始まりません。

定款の他に用意する書類は、登記申請書、印鑑届書、払込証明書、代表社員の印鑑証明書などです。
場合によっては取締役、代表取締役、監査役の就任承諾書、資本金決定書なども必要になることがあります。

株式会社の場合は、次に定款を「公証役場」で認証してもらう必要があります。
これを「定款認証」と呼びます。
公証役場とは、「公証人」という裁判官や検事上がりの特殊な公務員が配置された役所で、定款認証は定款に記載した本店所在地を管轄する公証役場で行うことになるのです。
ちなみに合同会社などのいわゆる持分会社の場合には、この定款認証は必要ありません。

定款などの書類作成や定款認証が済んだら、資本金を払い込み、次に行うのが登記になります。
登記の申請は法務局で行うことになりますが、これもやはり定款に記載した本店所在地を管轄する法務局に足を運ぶ必要があります。
法務局で登記申請をすると、「登記事項証明書」というものを取得することができ、これが次の設立届提出で必要となるのです。

登記申請が済んで登記事項証明書を取得したら、次は設立届を各所に提出します。
税務署や都道府県、市町村、年金事務所などに登記事項証明書を持ち込み、それぞれで書類を提出する必要があるのです。
従業員がいるのであれば労働基準監督署やハローワークなどにも提出しなければなりません。
足を運ばなければならないところが多いので、これが一番大変かもしれません。

設立届提出が一通り済んだら最後に銀行で法人口座を開設し、これでやっと「会社を設立した」といえる状況になります。
登記申請した日が会社設立日であり、社会に会社を認めてもらえた瞬間であると言えますが、ここまで済ませないと会社設立したとは言い難いのです。

いかがでしょうか?
以上が会社設立の流れになりますが、かなり面倒が多いですよね。
もしも「いそがしくてとても自分で行うのは無理」「手続きそのものに自信がない」という場合には、司法書士や行政書士といった専門家に依頼するのも手です。
とくに定款の作成はその内容が会社設立後に大きく影響してくることがありますので、従業員がいる、もしくは雇う予定がある場合には、専門家に依頼した方が得策でしょう。
もしもパソコンでの書類作成に自信がないのであれば、専門家に依頼した方が結果安い可能性すらあります。
定款をデータで提出する「電子定款」という方法があるのですが、これを行うと印紙代の4万円が削減できるのです。
代行依頼費用が4万円以下なら、安くなりますよね。

ただしここで気を付けたいポイントがあります。
定款作成は行政書士などでも良いのですが、「登記申請の代行」は司法書士と弁護士しか代行できません。
他の仕業は、法的に登記申請代行が許されていないのです。
ただ弁護士の場合、法的には許されていますが、実際には弁護士も登記は専門家である司法書士に依頼することも多いです。
現実的には登記申請の代行依頼は、ほぼ司法書士一択であると言えるでしょう。